しっとりとした情感にあふれた唱法は日本人好みの実力派。1960年にCSSから「アウト オブ ブルー」や「キャロル スローン ライブ アット 30th ストリー」(CSS)に録音のコスモ、その後レコーディングに恵まれなかったが、1977年〈ニューヨーク ジャズ カルテット〉と共に初来日し、その折に2枚のアルバムを残した。そのうちの1枚、タイトルは「ソフィスティケイテッド・レイディ」。もちろんデューク・エリントン ソング ブックです。メンバーは、ローランド・ハナ(P)、ジョージ・ムラーツ(b)、リッチ・ブラット(dr)。録音1977年10月16日、東京。
カーメン・マックレーやサラ・ヴォーンが真のジャズシンガーだ! と言わしめたベティ・カーター(vo)は、名盤が多い割には一般的にはあまり知られていない歌手である。ライオネル・ハンプトン(vib)のバンドに在籍していたこともあり、レイ・チャールズから多大な影響を受けABCパラマウントでレイと共演したレコードもあるなど、ソウル、ブルース、ジャズと幅広く活躍した。代表作はOut There With(ピーコックPLP90)。ケニー・ドーハム(tp)、ベニー・ゴルゾン(ts)、ウイントン・ケリー(p)、etc. 1958年録音。
スタンダードの名曲揃い。ナット・キング・コールは1943年から1965年までキャピトルに多く録音を残している。オーケストラから自らのピアノによるトリオ演奏まで、新しいジャズボーカルのスタイルと確立した、一流のジャズメン。1946年メトロノーム・オールスターズに選ばれ、オスカー・ピーターソン(P)は彼から強く影響を受けたと語り、弾き語りでN.コールに捧げるという名盤もある。オーケストラ&コンダクト ネルソン・リドル。1958年頃、LA録音。
ジャズのルーツの1つであるブルースにあらゆる角度からスポットをあてて作られたアルバムです。とは言ってもここでのブルースはネルソンのモダンなイディオムによって見事なオリジナリティを持ったものばかりである。メンバー的にもファンの関心を引くであろうが、個々のソロと同時にそれ以上にあるいはそれ以上にネルソンの作編曲としての才能にディグすべき作品であろう。モダンジャズの秀作である。
サド・ジョーンズとメル・ルイスの参加を得て、作られたファーストアルバム(チャイルド イズ ボーン)が1976年の春に発売され、1977年6月にはニューヨークのジャズクラブ「ストリーヴィル」でライブアルバムを作った。1979年にはカリフォルニアのモントレージャズフェスティヴァルに松本英彦、北村英治と共に招かれて出演し、大成功を博し、ファーストアルバムから4年間もたたぬうち6枚も発売され、彼女の人気を物語っている。本アルバム「ワンス・イン・ジ・イブニング」が7作目。ハンク・ジョーンズ(P)、ジョージ・デュヴィヴィエ(b)、シェリー・アン(dr)のトリオのバックを得て素晴らしいジャズボーカルを聴かせてくれます。
ウェスの死後発掘された貴重な演奏。1968年の夏に発見された名門ジャズクラブ「ハーフノート」での演奏テープを収録したものです。W.モンゴメリー(g)、W.ケリー(P)、P.チェンバース(b)、j.コブ(dr) 数ある名盤の中でもヴァーブに残した「スモーキン アット ザ ハーフノート」は特に素晴らしい作品の1つ。その時の未発表曲を集めたもの。「インプレッションズ」「フォーオンザシックス」等が素晴らしい出来だ。
1956年、ABCパラマウントに吹き込んだ「私のジャズ」が出世作だが、その5年後に録音された「クインテッセンス」はロック電気サウンドを取り入れる前の最も円熟した時期のものとして貴重な一枚である。クラーク・テリー、ジョー・ニューマン、サド・ジョーンズ、フレディ・ハーバート、スヌーキー・ヤング、アーニーロイヤル(tp)。ビリー・バイヤーズ(tb,comp,as)、メルバ・リストン(tb)、ロドニー・レヴィット(tb,as)、カーティス・フラー(tb)、フィル・ウッズ(as)、etc
サド・ジョーンズの曲にアレック・ワイルダーが詞を付け、サドメルのサポートで吹き込んだ峰純子の同名デビュー作での落ち着いた語り口は立派。カーリン・クローグがベンクトハルベルクのピアノのみで歌った「ソング フォー ユー」や「トゥゲザーアゲイン」が秀作。
NYのブロードウェイではジュリー・アンドリュース。LAのハリウッドでは(映画)ではオードリー・ヘップバーンでヒットしたミュージカルの名作「マイ フェア レディー」の楽曲を取り上げたオスカー・ピーターソンの異色作。「踊り明かそう」「君住む街角」など。Ray Brown(ベース)、Gene gammage(ドラムス)。1958年録音。
”イントロデューシング”(1983年)、”ウィズ・マル”(1983年)、”デュオ”(1985年)、”インターリュード”(1999年)。インターリュードという決して広くないお店。片隅にアップライトの(P)が置いてある。それがエンジェル(与世山の呼び名)に逢える店。
サムホエア・ビフォー(1968年)、フェイシング・ユー等々、傑作の多い内でチョット異色の1枚。弾き語りの名手B・トルーブの”ミーニング・オブ・ザ・ブルース”や、金遣いの荒い母親を諫める為に作ったと言われている”ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド”他、聴きごたえのある1枚。キース・ジャレット(P)、ゲイリー・ピーコック(ベース)、ジャック・デジョネット(ドラムス)。1983年録音。
美人で歌がうまく、さわやかでちょっとキュートな歌手。録音枚数は少なく、発売されているものは全て名盤。レーベルはルースト3枚が良い。”ギヴ・ミー・ザ・シンプル・ライフ”、”ジス・キャント・ビー・ラヴ”等、秀逸。ラルフ・バーンズ(アレンジ、コンダクト)。1956年録音。
ジャズ・メッセンジャーズから、リー・モーガン(TP)、ウェイン・ショーター(TS)の参加で、ポール・チェンバース(DR)はマイルスのコンボから招集されて、この録音が実現。ジャズらしいジャズとして耳障りの良さは抜群。”Kelly Great”。1959年録音。
なんと言ってもメル・トーメは白人ジャズシンガー中、大物中の大物。数ある名盤はアトランティック、キャピトル、ベツレヘムにある。そのうちでこれは異色の一枚。秋になると聴きたくなる1枚。Songs of New Yorkだ。 ”New York, New York”、”Autumn in New York”が聞きもの。1962年録音。
”ロマンチック・キケロによる華麗なるショパンジャズの世界”というキャッチフレーズで日本上陸。一時はオスカー・ピーターソン(P)をも凌ぐ人気と実力を誇っていた。録音内容は練習曲ホ長調作品10-3「別れの曲」他5曲。オイゲン・キケロ(P)、ピーター・ウィッテ(ベース)、チャーリー・アントリーニ(ドラム)。1965年録音。MPSレーベル。
コルトレーンがスタンダードとして知られる有名なバラードばかりを演奏したアルバム。当時マウスピースの具合が悪くなり速いテンポのものが演奏できなくなったので、このアルバムを作ったと本人が語ったと言われている。数ある彼の作品の内でも重要な作品の1枚であろう。スタンダードナンバーでありながら、あたかも彼のための作品のように個性的である。ジョン・コルトレーン、アッコイ・ターナー(P)、ジィミー・ギャリソン(b)、エルビン・ジョンズ(Dr)。1962年録音。
エラ・フィッツジェラルドとボサノヴァ界の大御所アントニオ・カルロス・ジョビンの有名曲ばかりをジャズフィーリングゆたかに唄っている。ボサノヴァを唄わせてもエラである。ボーカルレコードとしてはいい出来である。エラ・フィッツジェラルド(vo)、トゥーツ・シールマンス(ハモニカ)、クラーク・テリー(th)、ズート・シムス(ts)他。1980年録音。
このアルバムは、イーストコースト勃興期におけるセロニアス・モンクとソニー・ロリンズ、両巨人の足跡を記録した一枚である。アルバム全体は一種のオムニバス形式で、三種の異なったセッションが集められている。 S.ロリンズ(TS)、T.モンク(P)、T.ポッター(bs)、A.ブレーキー(dr) etc.. 1953年~1964年録音。
ヴァイブの名手ミルト・ジャクソンがクインテットを率いてロサンゼルスのジャズクラブ、シェリーズアンホールに出演した時のライブレコード。
R・ブラウン(b)、T・エドワーズ(TS)、M・アレキサンダー(P)、D・パーク(dr) 1969年録音。
ニューヨークのジャズクラブ「ヴィレッジゲート」でのライブ盤。ロニー・ポール(P)、マンデルロー(g)、リチャード・デイビス(b)、エド・シネシー(dr)。伴奏陣のバックアップが聴きものだが、クリスのモダンフレージングには感じさせられる。初期のベツレヘム、名作の多いアトランティックにはない成熟した演唱が聴ける。
もともとはポピュラー畑の人。ビッグバンドはなやかなりし頃、トミー・ドーシー楽団で鍛えた歌手で、ジャズフィーリングに満ちたうまさを発揮する人。
タイトル通り、編曲と指揮はジョー・マンデル、ベン・ウェブスター(ts)、ジョニー・ホッジス(as)などそうそうたるメンバーとの共演は聴きもの。1960年録音。
かつてはマイルス・デイヴス五重奏団の一員であったわけだが、自身の名作も多く、そのうちでもトップに当たる作品。
おいしいコーヒーを飲みながら、じっくり…… 何も語らずともわかる、名作です。1956年8月録音。
Red Garland(P), Paul Chambers(BASS), Art Taylor(Dr).
1953年、ロバート・メリンとガイ・ウッドが共作したラブ・バラードの名歌「My One And Only Love」の名唱盤は数多いが、インパルスレーベルのジョン・コルトレーン(ts)とジョニー・ハートマン(vo)の息の合った演唱は秀逸。他に、「Lush Life」や「They Say It's Wonderful」も良い。1963年の録音。
1938年、ミュージカル「シラキューズから来た男たち」の中のナンバーで、ロレッツ・ハート(詞)、リチャード・ロジャース(曲)のコンビによる名歌「Falling In Love With Love ~恋に恋して~」が入っている、Blue Note盤「ポートレイト オブ シェイラ/シェイラ・ジョーダン」。語り口の良さは絶品。他にもおすすめの1曲「Let's Face The Music And Dance」も。1962年録音。
数々のジャズミュージシャンと共演するかたわら60年代初頭からラテン風の音楽でアメリカで人気を博していたカル・ジェイダー(vib)と、ジャズヴォーカルの女王と呼ばれたアニタ・オデイが共演した異色作。真夏の太陽の下、涼やかな風が吹き抜けるような・・・